物販ビジネスには、在庫管理、出品作業、発送管理、売上・利益管理……といった煩雑な管理作業はつきものです。多くの人が、「売ること以外の作業」にかなりの時間を取られてしまいます。

eBay輸出ビジネススクールSUNSPIRITSでは、「eBayStock」という一元管理ツールを開発し、受講生の皆さんに使っていただいています。

「eBayStock」は、SUNSPIRITSの卒業生であり、現在もeBayビジネスを続けているエンジニアのヨウさんが開発したツール。

今回は、ヨウさんにeBayStockの開発についてお話を伺いました。

SE歴15年。副業として始めた物販が転機に

—まずは簡単に、これまでのご経歴を教えてください。

私はSEとしてIT系の会社に入社し、プログラマーやシステムエンジニアとして15年ほど働いていました。

子どもが生まれてから、思うように家族との時間が取れなくなり、 「通勤せずに家でできる仕事をしたいな」と思うようになりました。副業として物販を始めたのはそれがきっかけでしたね。

—副業としては最初からeBayビジネスを選ばれたのですか?

最初はAmazonの国内せどりでした。それを独学で学んで試し、その後、アメリカAmazonへの輸出入をやるようになりました。

ただ、当時は商品ジャンルを絞れていなかったり、在庫が残りやすい新品の商品を扱ってしまったりと、今思うと再現性のない商売になってしまっていましたね。そのため、物量だけが増えてしまって…という状態でした。

「これは誰かからきちんと学ばないとダメだな」と思ったタイミングでこんさんのスクールに出会い、eBayを本格的に始めました。

—eBayを始めてから、脱サラされたのはいつ頃ですか?

確か2年目くらいだったと思います。最初はサラリーマンとして働きながらでしたので大変でしたが、初めて2年ほどでサラリーマン当時の給料を超え、「これなら会社を辞めても大丈夫だな」という状態になりましたね。

「自分の作業を楽にしたい」から作り始めたツール

—eBayStockは、最初から受講生用のツールとして作られたのですか?

最初は完全に自分用ですね。

物販って、在庫管理、検品情報、出品情報など、エクセルで管理することが多いと思うんですけど、私にはそれがとにかく面倒で。

もともとシステムを作る仕事をしていたので、 「じゃあ自分で作ろう」という、いわば職業病みたいな感じで作り始めたのが最初です。

—当時、特に負担に感じていた作業は何ですか?

在庫管理と、出品作業です。

仕入れ時や検品時に入力した情報を、eBayに出品する際にまた一個ずつ手入力しないといけない。それがすごく面倒でした。

コミュニティ全体で使うツールへ

—そこから皆が使えるツールとして正式に開発をするようになったのですね。それはどのような経緯だったのですか?

そうですね。当初は自分用に作っていたものでしたが、そのツール良さそうだねということで、校長であるこんさんにお話をいただき、 「コミュニティ全体で使えるツールにしよう」という流れになりました。

—開発期間はどれくらいかかりましたか?また、開発するうえで大変だったところはありますか?

2〜3年くらいかかりました。個人で使っていたころは、皆が使うような大掛かりなものではありませんでしたが、SUNSPIRITSのコミュニティで使うとなると何百人ものユーザーがいることになります。

その際に、eBayのシステムと連携して、eBayStockのツールから直接eBayへの出品が出来るようにしました。

こういったプラットフォームとの連携を、「API連携」というのですが、普通の個人アカウントだとAPI連携の利用制限にすぐ引っかかってしまうんです。

eBayのシステムと連携するには、もちろん物販の最大手会社ですから、様々な手続きが必要です。エンジニアとして正式にツールを開発する旨を証明し、eBay側の認証を得る必要があります。英語でeBayの担当者とやり取りをしながら、なんとか申請をし、最終的に認証を得る事が出来ました。

eBayStockでできること

—eBayStockの機能を簡単に教えてください。

大きく分けると、以下のような機能ですね。

在庫管理

  • 仕入れた商品を登録
  • 検品情報(商品の状態)を一元管理
  • 在庫が「自宅にあるのか」「発送代行会社にあるのか」等も管理可能

売上・実績管理

  • 売れた商品はeBayと自動連携
  • 売上・利益・在庫残高を一覧で確認
  • データをExcelで出力可能、税務に必要な在庫データもすぐに作成できる

発送管理(発送代行会社との連携)

  • 検品後、発送代行会社へ商品を送るためのラベルをeBayStockから出力・印刷
  • 在庫情報と販売情報/発送情報が紐づいた状態で管理できる

出品管理

  • 写真をアップロードし、日本語で情報入力
  • eBayへの出品に必要な項目を感覚的に選択するだけで英語での出品が可能

ツールなしでこれらを管理しようと思うと、売り上げ管理シートや在庫票など、さまざまなエクセルファイルを作る必要がありました。

売れるたびにエクセルにコピペ入力して、在庫表からそれを削除したり、販売ステータスを変更し、売上の合計から送料やれ数量を引いて利益を計算して…など、かなり煩雑な事務作業ですよね。

これらをeBayのプラットフォームや発送代行会社のツールと連携することで、かなりの作業を自動化できるようになったと思います。

トランプ関税への対応の「異常な速さ」の理由

—最近特に印象的だったのが、トランプ関税が施行されてからのアップデート対応が非常に早かったことです。対応の速さの決め手は何でしたか?

トランプ政権の施策により関税が急に高くなったことで、買い手側が受け取り拒否をするなど様々な混乱が起きました。それに対応する形で、eBayが送料にあらかじめ関税を含めた価格を提示するよう促しました。

つまり、従来は買い手側が負担していた関税を、私たち販売者が先に負担する仕組みに変わってしまったのです。それに伴い、買い手側は様々な対応に追われる形となりました

私自身も現役でeBayビジネスを行っているので、 「これは早急に対応しないとまずい」と感じました。

例えば、関税をセラーが負担する仕組みに変わったことで、関税や送料を利益計算に含めないと利益が実際より多く見えてしまい、利益計算が狂ってしまいます。

そこで、発送業者からの送料・関税の請求データを取り込んで、 eBayStock上で利益を正確に反映できるようにしました。

開発者である私がプレイヤーとしてeBayビジネスを行っているため、こういった変化があった際も作業の中でどの部分に影響が出るか、どの機能をどのように変更したらeBay側の要求に対応できるか、などよく分かっているのが、迅速に対応できる理由だと思います。

通常であれば、ユーザーからの意見をまとめて、それをエンジニアに伝えてから開発に入るので、もっと時間を要しますから。

「作る人」と「使う人」を分けない

—開発で大切にしている考え方はありますか?

やはり 「使う人が使いやすいこと」ですね。

自分自身がユーザーなので、「これは分かりにくいな」「ここ面倒だな」という感覚がそのまま開発に反映できます。

会社員時代、作る人と使う人の感覚が乖離してしまっているシステムをたくさん見てきたので、そこはできるだけユーザーの目線に近づけたいと思っています。

そもそも、ユーザーさんたちは私のビジネス仲間でもありますからね。

現役セラーとしての現在地

—今もeBayはビジネスの主軸として取り組まれているのですか?

はい。最初はカメラ商材が中心でしたが、今は時計を中心に扱っています。また、当初は一人で取り組んでいましたが、今は一部の作業をパートさんにお願いしながら、自分は仕入れとシステム開発に集中しています。

ちなみに先月は売上が約550万円、利益が約160万円くらいでした。

—現役の百万円プレイヤーが使い続け、開発しているツール、というのは信頼感がありますね。eBayStockを今後このようにアップデートして行きたいなど、展望はありますか?

直近では、プロモーション費用(eBay内での広告費)の売上データへの反映なども含めて、より正確な実績管理ができるようアップデート予定です。

また、消費税還付に関するデータの可視化や再出品業務をサポートする機能なども、順次検討しています。

それによって、売り上げ管理はもちろん税務処理などもかなり効率化できるはずです。

—最後に、ユーザーの皆さんに何かメッセージはございますか?

いつも使っていただいて、本当にありがとうございます。

eBayStockは、「ツールを作るために作られたツール」ではなく、実際にeBayに取り組む私自身が開発し、今も改善を続けている現場発の管理ツールです。

これからも、使っているユーザーさんが少しでも楽に、効率よく実績を上げられるようなツールにしていきたいと思っています。

—ありがとうございました!


SUNSPIRITSは、単なるスクールとしてのサービスだけではなく、
発送代行会社や管理ツール、連携税理士など、eBayビジネスを実際に行っていくための様々なサポートを用意しています。

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