eBayは、Amazonやヤフオクなどと同じようなショッピングプラットフォームです。世界190カ国から、1億8300万人*ものアクティブバイヤーが利用している、非常に規模の大きい市場であると言えます。個人バイヤーでも越境ECに取り組むことができるので、eBayを利用したビジネスを検討している方にも非常に導入しやすいプラットフォームと言えます。
今回は、eBay物販の概要やメリットについて詳しくご紹介します。また、eBay物販を成功させるポイントや注意点も解説しますので、これからeBayを始めたいと思っている方はぜひ参考にしてください。
*2024年3月時点。
2. eBay物販とは？
eBay物販とは、世界大手の物販プラットフォームであるeBayを利用した物販業のことです。eBayでは、とくに中古品が活発に取引されています。時計やジュエリーと言ったファッション雑貨から骨董品、カメラなど、販売されている商品のジャンルは非常に多義にわたります。
ユーザー登録自体は容易なため、個人が自分の使っているものを出品しているケースもあれば、ビジネスとして何百もの商品を販売・取引しているユーザーも多く存在します。
日本に住む人がeBay物販を始める場合は、多くの人が日本の商品をeBay上に出品し、輸出するケースがほとんどです。輸出事業というと、販売場所や集客、発送に至るまでかなりハードルが高そうなイメージですが、eBayの場合は個人セラーアカウントも気軽に作ることができますので、しっかりとポイントを押さえさえすれば、複雑な手続きをしなくとも個人で輸出ビジネスを始めることが可能です。
3. eBay物販のメリット
この項目では、eBay物販（eBay輸出事業）のメリットを紹介します。主なメリットは以下の通りです。
- 世界中の顧客を相手にできる
- 日本人セラーへの需要が高い
- 参入障壁が高いので、その分一度参入してしまえばビジネスの継続がしやすい
- リピーターが作りやすいプラットフォーム
- 消費税還付がある
・世界中の顧客を相手にできる
eBay物販は、190もの国で展開している巨大なプラットフォームなので、世界中から売る人と買う人が集まります。
世界の国は196カ国ありますので、ほぼ全世界を対象にしていると言えるでしょう。
eBayジャパンの発表によれば、eBayには1億8300万人ものアクティブバイヤーがいます。
単なる登録者数ではなく、アクティブに買い物をしている人が2億近くいるのですから、かなり大きな市場で商売ができることになります。
・日本人セラーへの需要が高い
eBayが過去に実施した調査では、日本人バイヤーから中古品を購入したいと思っているユーザーが世界中に多く存在することが分かりました。世界の中でも、日本人が使っていた中古品は扱いが丁寧なため、箱や付属品などが非常に良い状態で残っていることが多く、コレクターアイテムなどにおける信頼度に関しては、日本で売られている商品の右に出るものはないようです。
またゲーム機や玩具、カメラといった商品は、その品質の高さから日本製が好まれます。
扱いが丁寧なので状態が良く、品質も高い日本製の中古品はどの国でも需要が高めです。
・参入障壁が高いので、その分一度参入してしまえばビジネスの継続がしやすい
先ほど、eBayを利用すればハードルの高そうな輸出事業も複雑な手続きなく始める事が出来ると説明しましたが、多くの日本人は海外との取引に抵抗を感じ、なかなか参入が出来ないのも事実です。
eBayでは英語でのやり取りが基本になるため、言語の壁も理由の一つかもしれません。
そして何と言っても、eBayは登録自体は簡単なものの、独自のルールも多く、バイヤー（買い手）を非常に尊重したプラットフォームになっていることが、ビジネスとしての参入障壁を高くしています。セラー側は高いサービスパフォーマンスを求められ、きちんとルールを守らない場合はアカウントが停止になってしまうなど、注意が必要な点がいくつもあります。
しかし、参入障壁が高いということは、例えば誰でも気軽に始められるメルカリなどのように、ライバルが大量に参入して市場が飽和状態になる…といった状態にはなりにくいということです。
注意点をしっかりと押さえ、期限通りに発送する・正しい商品知識をつけて販売するなど、ビジネスの基本となる事項を守ることが出来れば、その後は比較的安定したビジネス基盤となります。
・リピーターが作りやすいプラットフォーム
eBayの特徴として、リピーターがつきやすいというものがあります。
例えば、あなたはAmazonで買い物をする際、「出品者が誰か」ということを意識して購入するでしょうか？…実際は、あまり意識することはなく、「Amazonで買った」ということ以外はあまり覚えていないと思います。
それでは、楽天ではどうでしょう。「楽天の中の○○と言うお店」から商品を購入し、「このお店は良かったな、また購入しよう」と思ったことはありませんか？楽天は、ショップごとのブランディングがしやすく、楽天と言うモールの中からお店を選んで買い物ができるように設計されたプラットフォームなので、ショップに対してリピーターがつきやすくなっています。
eBayの場合も、楽天に近く、それぞれのバイヤーは贔屓のショップに対してフォローをすることができます。ですので、Amazonなどよりもリピーターからの売上を得やすく、顧客満足度を高めれば売上を安定させることができます。
・消費税還付がある
海外に商品を輸出する事業を行う場合、日本国内で行った仕入れに対して支払った消費税が還付されます。消費税を支払うのではなく、逆に還付が受けられるというのは事業を行うにあたって非常に大きなメリットです。
海外に輸出される商品は「海外で消費される」ため、日本での消費税納付の対象にはなりません。そのため、自分が仕入れなどで支払った消費税を返金してもらうことができるのです。
４. eBay物販を成功させるポイント
それでは、どうしたらeBay物販を成功させることができるのでしょうか？ここでは成功するためのポイントについて解説します。
- 販売カテゴリ、ターゲット、コンセプトを明確にする
- 仕入れる前にリサーチを正確に行う
- リピーターがつきやすいように、カスタマーサービスはしっかりと行う
- 売れる商品を見つけたら何度も販売を行い、鉄板商品を作る
・販売カテゴリ、ターゲット、コンセプトを明確にする
eBay物販の輸出で成功するには、コンセプトやターゲット、販売カテゴリなどを明確にして専門店として認識されることが重要です。
特定ジャンルや商品の専門店だと認識されれば、以下のメリットがあります。
- 高額商品が売れやすくなる
- リピーターが増えやすくなる
- クロスセル、アップセル、まとめ買いによる売上アップが期待できる
中古品市場であるeBayでは、バイヤーは特に買い物での失敗に関して慎重になっています。そのため、一般ユーザーよりも、より商品知識があるプロの営む専門店で買いたいと考える傾向にあるため、満足のいく商品提供が出来れば、その分リピーターの獲得が期待できるのです。
・仕入れる前にリサーチを正確に行う
eBayでは、直近90日間で売れたあらゆる商品のデータをリサーチすることができます。
商品を仕入れる際は、やみくもに商品を買って出品するのではなく、よく売れている商品、つまり需要のある商品をリサーチしてから仕入れましょう。
同じ商品を検索し、現在売られているのは何個か？過去に販売されているのが何個か？を確認することで、需要と供給のバランスを知ることができます。
そして、販売価格がいくらなのかを確認すれば、いくらで仕入れれば利益を得る事が出来るのかも分かります。
これを商品ごとに正確に行うことが、仕入れにあたっては何よりも重要です。
リサーチをするには、商品知識も必要です。
商品について学びリサーチを行うことはかなり地味な作業ではありますが、とても重要な部分なので徹底して行いましょう。
・リピーターがつきやすいように、カスタマーサービスはしっかりと
eBayはあくまでも取引の場を提供しているだけなので、eBayでの物販における顧客満足度は、あくまでも自分と相手のやり取り次第です。
きちんと売上管理や質問への対応を行わず、発送が遅れたり顧客に不安を与えれば、信頼度は下がり、顧客は離れて行きます。
逆に言えば、こちらの対応やサービス次第でリピーターを作りやすい環境であるとも言えます。
そのため、連絡や発送を迅速に行う、誠実な顧客対応を行うといった基本的な事項のほか、取引のたびにお礼状を同梱する、梱包は丁寧に行うといった手厚いカスタマーサービスを心がけることで、リピーターを増やしていくことが可能です。
・売れる商品を見つけたら何度も販売を行い、鉄板商品を作る！
売れる商品を見つけたら、それを何度も販売して自分の鉄板商品にするのも売上アップのポイントです。
中古品の場合は特に、信頼のあるセラーから商品を購入したいという心理が働くため、その商品を多く売っているセラーとなれば、さらに販売がしやすくなり、好循環が起こります。
その鉄板商品を目当てに多くのユーザーが訪問してくれることになり、ついで買いやクロスセルなども期待できます。
鉄板商品は、それ自体が売上アップに貢献するだけではなく、集客の役割も果たしてくれるのです。
５. eBay物販の注意点
この項目では、eBay物販の注意点について紹介します。
- eBayのルールをしっかり守ろう
- 国際郵便やインボイス対応など、輸出にまつわる知識はある程度勉強しよう
- eBayの売れ行きをきちんと把握し、売れるものを仕入れよう
・eBayのルールをしっかり守ろう！
eBay物販はeBayのプラットフォームを利用してこそ成り立つビジネスなので、eBayのルールをしっかり守ることが大切です。
ルールを守らずにいると、場合によってはアカウントが停止になることもあります。
こうなると、せっかく育てたユーザーやリピーターとの信頼関係、構築した物販の仕組みも使えなくなってしまうので、ルールはしっかり、またルールのアップデートなども常に確認しましょう。
・国際郵便やインボイスなど、輸出にまつわる知識はある程度勉強しよう
輸出をする際は、海外に商品を発送するため、国際郵便を利用することになります。また、関税手続きのため、インボイスと言われる書類を作成する必要もあります。
輸出の際に利用できる主な国際郵便は
- 日本郵便のEMS
- DHL
- FedEx
などがありますが、他にも様々な輸送サービスがあります。中には、利用登録をすることでしか使えないサービスもありますので、販売を始める前に準備が必要です。
インボイスの作成は、輸送サービスのサイト上で作成したりすることもできるため、身構えるほど難しくはありませんが、最低限の知識は事前に勉強しておきましょう。
・お金の流れをきちんと管理しよう
eBayに限らず物販においては、売上を上げるというのももちろん大切ですが、売上や仕入れなど、お金の流れをしっかりと管理することも同じくらい重要です。
物販の場合、販売の前に仕入れを行いますので、先に支出が発生することになります。これを、管理をせずに大雑把なまま行ってしまうと、気が付くと仕入れの方が高くついていて、自転車操業状態になっていた…ということも起こりえます。
eBayは、販売後の入金が非常にスピーディーなプラットフォームです。そのため、仕入れをクレジットカードで行ったら、クレジットカードの支払よりも売上の入金のほうが早かった…ということもあります。
比較的資金回転のしやすいビジネスであると言えますが、管理は怠らずにしっかりと行いましょう。
６. まとめ
eBay物販は、世界最大級のオンラインプラットフォームで、中古品の取引が盛んに行われています。
全世界の顧客を相手に販売ができ、日本人セラーに対する信頼度も高いため、輸出を始めるにあたっては非常に有利なプラットフォームであると言えます。
これからeBay物販をはじめる人は是非、本記事で紹介した成功ポイントを参考にしてみてください。
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